うなぎの旬は夏ではない!

夏になるとよく言われるのは、「土用の丑の日にウナギを食べる」というのがあります。
しかし、ウナギの旬は夏ではないのです。

実はウナギの旬は秋の終わりから冬の初め、つまり11月あたりが一番おいしいのです。

では、なぜ夏にウナギを食べる習慣ができたのでしょうか?

それは、平賀源内が広めたと言われています。

夏のころは、ウナギは旬から一番離れている時期で、まともに食べられる時期ではありませんでした。

それに悩んだウナギ屋さんが平賀源内に相談したところ、夏バテが多い季節なので、土用の丑の日にウナギなど「う」がつく食べ物を食べれば夏バテしない、と宣伝しなさいとアドバイスしたことで、土用の丑の日と掲載しながらも宣伝を繰り返すことで、夏でもウナギが食べられるようになった、と言われています。

逆に、ウナギの旬であるはずの秋の終わりにはあまり食べられない、という逆転現象が起きているくらいです。

今でこそ、栄養ドリンクなどがある現代ですので、ウナギを美味しくいただきたいのであれば、夏ではなく、11月あたりを狙い目にしましょう。


「安全」と「安心」の違い

テレビでも賑わせている、東京都中央卸売市場の移転問題で、小池百合子都知事は、移転予定の豊洲市場について、「安全性が認められているにもかかわらず、安心できない」という理由で移転を拒否しています。
一方で築地市場で、化学物質や放射性物質などによる土壌汚染、建物の老朽化に加えてアスベストが天井から落ちてきている「危険な状況があるにもかかわらず、安心だから問題ない」と評しています。

安全と安心とは

pose_anshin_womanでは、安全と安心はどう違うのでしょうか。
辞書によると、
  • 安全:危なくないこと。物事が損傷・損害・危害を受けない、または受ける心配のないこと。(←→危険)。
  • 安心:気掛かりな事が無く、心が落ち着き安んじること(←→不安)。
とあります。

つまり、安全は対象となる物を調査することによって確認が出来る事象であるのに対して、安心は精神的な状態、心の様を表します。
安心と安全は、全く質の異なる物なのです。

安全を判断するには

安全を判断するのは難しくありません。

まず、危険な状況が発生するであろう事象を徹底的に洗い出し、それに対して安全であることを科学的にも実証できる客観的数値や評価を設定し、 対象となる物を調査、その結果をまとめて出すことで、安全かどうかを判断することが出来ます。

ただし、事象を洗い出す上で範囲が狭ければ、後々想定外の事象として危険がもたらされる恐れがあるため、極めて低い確率で発生しうる事象であっても洗い出していく必要があります。

例えば信号のある横断歩道を渡る場合、信号が青になったからといってすぐに渡ろうとしたら、信号無視した車が走ってきて事故に遭うことだってあり得ます。
それを防ぐためには、車道の左右をよく確認して、車が走ってこないという安全を判断する必要があります。

この例にしても、車道側が赤になれば車は必ず止まってくれるはず、と危険の想定を狭く考えていたら、安全を確保できなかったことになります。

安心を判断するには

では、安心かどうかを判断するにはどうすればいいでしょうか。

どんなに安全が約束されていても、対象の人が不安を感じるのであれば、安心だとは言えません。
仮に100%の安全性が確保されていても、その人が不安だと言えば、安心ではないとなります。

極端な話、へりくつでも不安だと決めつけてしまえば、安心を判断することは全く出来なくなります。

結局、安心というのは感情の様であり、主観的なものでしかないので、どんなに不安を解消しようと努力しても必ずは解決できないのです。

政治的判断に安心は必要か

政治をする上では、物事に対して客観的、論理的に判断、行動していく必要があります。
そうなると、 主観的で感情的な事象である安心、というものは、判断材料にしてはいけない、となります。

行政の立場から言えば、十分に洗い出された危険な事象を元に調査した結果、安全である物が安心できる物である、と「宣言」せざるを得ないのです。 

小池都知事が、安心を基準に政治的判断をすることがそもそもの誤りであり、仮に住民投票で豊洲と築地、どちらが安心かを選ばせたとしても、都民総意の判断で危険な土地を選ぶことにもなりかねず、 安全を担保することは出来ません。

安心かどうかを評するべきではなく、安全な物に対して、小池都知事が安心ですと宣言するしかないのです。 

報道などによれば、今年行われる都議会議員選挙において、小池新党を結党して多数派を確保して長期安定政権に持ち込むため、支持の分かれる市場移転判断を選挙が終わるまで先送りにしている、とも言われます。

しかしその間に、築地市場の老朽化による建物の崩壊、あるいは有害物質による食材の汚染、おびただしいほどの人々に公害を与えてしまったなら、小池都知事のこうした行動による過失は想像を絶することになるでしょう。

食の「安全」を確保する上では、市場移転を政争の道具にすべきではなく、速やかに客観的判断をすべきではないでしょうか。 

IT業界に巣食う「隠れ多重派遣」の闇

いわばプログラマーやシステムエンジニアなどと言ったIT系の技術者において、多重派遣がまかり通っていることはご存じでしょうか?

法律で見れば、労働者派遣法においては、二重派遣は禁止されています。
しかし、業務の下請け、委託という方法で法の網をくぐり抜け、二重どころか多重派遣を実現させているのが現状です。

下請け、委託とは

ある会社がとあるシステムの開発を請け負った際に、 自社の社員だけでは実現しない箇所に対して、別の業者に委託を行う場合があります。
このとき、委託元を元請け、委託先を下請けと言います。

さらに下請けされた業者がさらに一部を別業者に委託することも可能で、その際には、最初の下請けを二次請け、その次を三次請けと呼びます。

つまり、人材を派遣するのではなく、あくまでも会社自体が請負契約を結んで業務の下請けを行う、その際に現場で作業する形に持って行っているのです。
この方法については、法律では何の制約もなく、隠れ多重派遣がまかり通っているのです。

しかも、顧客に対しては元請けがどういう下請けを使うかを明示する義務はなく、隠れ多重派遣をチェックする機能を内包することも出来ません。

私が経験した中で最も階層が深かったのは5重で、最初の会社の担当者と話をした上で、名刺を出さずにその会社の社員という形で上の層の会社の人たちと面接、そこで問題ないと判断されれば、さらにその会社の社員として上の層の会社との面接、と繰り返すことになります。

もちろん採用されたならば、自社の名刺を使うことは出来ず、元請けの1層下の下請け会社から名刺をもらえれば幸いで、最悪は名刺を持っていない謎の社員を装わないといけません。
派遣された側も生活のために働いて給料をもらわなければならないので、それら下請けたちとともに「詐欺行為」を行っているのです。

どうすればいいのか

法律によって、孫請け以降を禁止した上で、顧客に請負の状況を明示する、さらには請負契約の際の所属などを明示する形で労働基準監督署に報告する義務を負わせる必要が出てくるでしょう。

そうなると、そもそも信用がない中小の派遣会社は軒並み潰れるでしょうし、下請け会社が人材を自ら確保する必要が出ますし、システム開発にかかるコストも高騰するでしょう。

これはIT業界だけではなく、放送など他の業界にも影響を与えるでしょう。

しかしながら、労働者により安定した雇用環境を得る上では重要な対策になるでしょうし、中長期的な人材育成による企業能力の向上にもつながっていくでしょう。

隠れ多重派遣は焼き畑農業のようなもので、ただの姑息な手段でしかないと思います。
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